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「実践COBOLプログラミング入門」を紹介

COBOLの文法だけでなく、ファイル作成、データ集計、マッチング、レポート作成まで、業務プログラムの考え方を例題で学べる一冊です。

実践COBOLプログラミング入門の表紙
書名
[改訂新版]実践COBOLプログラミング入門
著者
結城圭介
出版社
技術評論社
発売日
2011年2月4日
ページ数
480ページ
ISBN
978-4-7741-4537-2

書誌情報は技術評論社の書籍情報を参照しています。

COBOLを学ぼうとすると、最初はDISPLAYで文字を表示したり、数値を計算したりする例から始めます。しかし、COBOLが長く使われてきた業務システムでは、複数のデータをファイルから読み込み、集計し、別のファイルや帳票へ出力する処理が重要です。

『[改訂新版]実践COBOLプログラミング入門』は、COBOLの基本構文から始め、ファイル入出力、ソート、集計、マッチング、レポート印刷、データベースプログラミング、実践的なTipsまでを扱います。出版社の紹介でも、例題プログラムを示しながら基本から解説し、後半はTips形式でリファレンスとして使える構成と説明されています。

COBOLの文法だけでは分かりにくいこと

COBOLの学習では、他の言語と違うキーワードや、独特のデータ定義に目が向きがちです。もちろんDATA DIVISIONやPIC句は大切ですが、実際のプログラムでは次のような処理を組み合わせます。

  • 入力ファイルを1レコードずつ読み込む
  • 得意先や商品ごとに金額を集計する
  • マスターファイルと取引ファイルを照合する
  • 読み込んだデータを決められた形式の帳票へ出力する
  • 処理件数や終了状態を確認し、異常時に安全に終了する

短い文法サンプルだけでは、これらの処理がどのように一つのプログラムへ成長するのかが見えにくくなります。本書は例題の仕様、コーディング例、処理の解説という順で進むため、文法と業務処理のつながりを追いやすい点が特徴です。

本書で扱われる主なテーマ

COBOLプログラムの構成とデータ定義

COBOLのプログラムは、IDENTIFICATION DIVISION、ENVIRONMENT DIVISION、DATA DIVISION、PROCEDURE DIVISIONという大きな区分で構成されます。どこにプログラム名を書くのか、ファイルや作業領域をどこで定義するのかを順番に理解できます。

特に、データを階層的に定義するレベル番号や、文字・整数・小数の桁数を表すPIC句は、COBOLのプログラムを読むときの基礎になります。変数を宣言してから処理を書く言語に慣れている人にも、データのレイアウトを先に設計する考え方は新鮮に映るでしょう。

ファイルの入出力

ファイルを扱う章では、ファイルの定義、オープン、読み込み、終了条件の確認、クローズ、書き込みという一連の流れを学びます。READやWRITEを単独で覚えるのではなく、入力レコードを作業領域へ移して処理する全体像をつかめます。

ソート、集計、マッチング

業務データを扱ううえで重要な、並べ替え、グループごとの集計、2つのファイルの照合も扱われます。コントロールブレイクのように、キーが変わったタイミングで小計を出す考え方は、COBOL以外のデータ処理にも応用できます。

レポートとテーブル操作

帳票の行や見出しを出力する処理、OCCURSで表形式のデータを持つ方法、表を検索する方法も紹介されます。画面に値を表示するだけでなく、決められたレイアウトへ整形する視点を学べるのが実践的です。

データベースプログラミング

改訂新版では、PRO*COBOL環境でデータベースを扱う章が追加されています。ホスト変数、接続、検索、更新、コミット、ロールバックといったテーマを知ることで、ファイル処理からデータベース処理へ進む道筋を描けます。

データベース章の実行には、本書が想定するPRO*COBOL環境やデータベース製品が必要です。まずはGnuCOBOLで基本文法とファイル処理を試し、データベース部分は利用する環境の公式資料と合わせて読むのがおすすめです。

この本をおすすめしたい人

  • COBOLの基本文法を学び、実務的な例題へ進みたい人
  • ファイル入出力や集計処理を一から理解したい人
  • 既存のCOBOLプログラムを読むための全体像がほしい人
  • 研修や授業でCOBOLを学び、手元に置けるリファレンスを探している人
  • マッチングや帳票など、業務プログラムらしい処理を学びたい人

購入前に確認したいこと

発行年と実行環境の違いに注意する

書籍は2011年発売の改訂新版です。COBOLの基本的な考え方やファイル処理の説明は今も学習に役立ちますが、コンパイラーの導入方法、OS、文字コード、データベース製品の設定は手元の環境と一致しない可能性があります。

本書のコードをそのまま動かせないときは、まずプログラムの目的とデータの流れを確認し、GnuCOBOLの文法や実行環境に合わせて小さく書き換えると理解しやすくなります。COBOLでは処理系によって利用できる機能や書式が異なるため、コンパイラーの公式資料も併用しましょう。

完全な未経験者は導入を補うと読みやすい

480ページの中で実践的なテーマまで扱うため、プログラミングが初めてで、変数や条件分岐の考え方もまだ不安な場合は、最初からすべてを理解しようとしないほうがよいでしょう。当サイトのCOBOL入門で短いコードを実行し、語句に慣れてから本書へ進むと読みやすくなります。

本書は文法の辞書だけではなく、COBOLでデータを処理するための例題集として読むと価値が分かりやすくなります。最初は第2章から第5章までを中心に読み、ソートや集計、マッチングは小さな入力データを自分で作りながら進めるのがおすすめです。

おすすめの読み進め方

  1. 環境を準備する:GnuCOBOLなどの処理系で、短いDISPLAYプログラムをコンパイルします。
  2. データ定義を読む:PIC、レベル番号、作業領域が、処理でどのように使われるかを確認します。
  3. 入出力を試す:少ないレコードのテキストファイルを作り、READとWRITEを動かします。
  4. 集計へ進む:キーが変わるタイミングを紙に書き、コントロールブレイクの処理を追います。
  5. 自分のデータへ置き換える:商品名や数量を変え、入力件数を増やして結果が変わることを確認します。

COBOLは、処理の目的とデータのレイアウトを先に決めると読みやすくなります。コードを書き写すだけでなく、入力ファイルの1行、作業領域、出力ファイルの1行がどのように対応するのかを図にすると、長い例題でも迷いにくくなります。

このサイトのCOBOL入門との使い分け

当サイトのCOBOL入門では、GnuCOBOLのフリーフォーマットを使い、短いコードと実行結果を確認しながら基礎から学べるようにしています。4つのDivision、PIC、条件分岐、繰り返し、テーブル、ファイル処理、練習問題へ順番に進みます。

本書で業務プログラムの全体像を読み、学習ページで小さなコードを実行し、再び本書の例題へ戻るという往復がおすすめです。書籍が扱うソートやマッチングを学ぶ前に、入門ページの練習問題で条件分岐とデータ定義を固めると、処理の意図を追いやすくなります。

まとめ

『[改訂新版]実践COBOLプログラミング入門』は、COBOLの文法を覚えるだけでなく、ファイル、集計、マッチング、帳票、データベースという業務処理の流れまで見渡したい人に向いた本です。基本から実践へ進むための例題が多く、読み終わったあともTipsを調べるリファレンスとして使えます。

発行年が古いため、実行環境やデータベースの部分は公式資料で補う必要があります。それでも、COBOLでどのようなデータ処理を組み立てるのかを学ぶ教材として、ファイル処理や集計へ進みたい初学者にとって頼りになる一冊です。

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