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「R言語ではじめるプログラミングとデータ分析」を紹介

Rを初めて動かすところから、データを整理・集計・可視化する一連の流れまで学びたい人のための入門書です。

R言語ではじめるプログラミングとデータ分析の表紙
書名
R言語ではじめるプログラミングとデータ分析
著者
馬場 真哉
出版社
ソシム
発売日
2019年12月26日
ページ数
456ページ
ISBN
978-4-8026-1238-8

書誌情報と目次はソシムの公式書籍情報を参照しています。

表計算ソフトで集計を繰り返していると、「同じ手順を来月も手作業で行うのか」「元データが増えたらどこを直すのか」という問題が生まれます。Rは、読み込み、整理、集計、グラフ作成という分析手順をコードとして残し、条件を変えながら再実行できる言語です。

一方、初めてRに触れる人は、ベクトルやデータフレームといった独特のデータ構造、1から始まる添字、欠損値、パッケージなどで迷いやすくなります。『R言語ではじめるプログラミングとデータ分析』は、Rの操作だけでなく、プログラミングの考え方からデータ分析へ橋を架ける一冊です。

Rを学ぶと何が変わるのか

分析で重要なのは、きれいなグラフを一度作ることだけではありません。どのデータを使い、何を除外し、どの単位で集計したかを後から説明できることが必要です。コードを残せば、同じ条件を再現しやすく、修正箇所も追いやすくなります。

  • CSVなどのデータを決まった手順で読み込む
  • 必要な行や列を選び、新しい値を計算する
  • グループごとの件数、平均、合計を求める
  • 分布や関係をグラフで確かめる
  • 一連の処理をスクリプトとして再利用する

Rは統計処理だけの電卓ではなく、データを扱うためのプログラミング環境です。本書はこの点を出発点に、短いコードから長い処理へ段階的に進みます。

この本の特徴

プログラミング未経験者を意識した導入

第1部ではRプログラミングの考え方と、Rを始めるための準備を扱います。命令を写すだけでなく、コードを書いて実行し、結果を確認するという基本の流れから入れるため、分析ソフトは使ったことがあってもプログラミングは初めてという人に向いています。

短い分析例を豊富に試せる

出版社の紹介では「3行で終わる短いプログラミング事例」を豊富に掲載していることが特徴として挙げられています。長い完成コードを一度に読むより、入力と出力の関係が見える小さな例を試すほうが、関数やデータ構造の役割を理解しやすくなります。

基礎からtidyverseへ進める

R本体の基本に加え、データ分析の生産性を高めるパッケージ群tidyverseも扱います。基本構文を飛ばして便利な書き方だけを覚えるのではなく、Rの値や関数を理解したうえで、抽出・変換・集計・可視化・結合へ進める構成です。

読み返しやすい工夫がある

難易度マークにより、最初は難しい箇所を飛ばしやすく、巻末にはRリファレンスがあります。一度ですべてを覚えるのではなく、分析中に必要な項目へ戻る使い方ができます。

どのような内容を学べるのか

1. Rのデータと基本操作

数値や文字列を変数へ保存し、ベクトル、行列、リスト、データフレームとして複数の値を扱います。Rではベクトルを単位に計算する場面が多いため、1件ずつ繰り返す前に「列全体へ同じ計算を行う」考え方を理解することが重要です。

2. データを調べ、集計する

読み込んだデータの行数、列名、型、要約統計量を確認し、条件に合うデータを抽出します。いきなり分析を始めず、欠損値や想定外の値を確かめる習慣は、誤った結論を避けるために欠かせません。

3. 制御構文と関数

条件分岐、繰り返し、関数を使い、処理へ名前を付けて再利用します。短い分析からコードが成長したとき、処理を分割し、入力と出力を明確にする考え方が役立ちます。

4. 長いコードを書くための工夫

第3部では環境構築やRの構文理解に加え、長いコードを管理する工夫へ進みます。分析では試行錯誤が多いからこそ、作業用の断片を増やし続けず、再実行できる順序へ整理する必要があります。

5. tidyverseによる実践的な処理

パイプ、データ読み込み、抽出・変換・集計、日付、可視化、整形、結合を扱います。複数の操作をデータの流れとして読みやすく記述し、表からグラフまで一続きの処理へまとめられます。

本書のサンプルコードとデータは公式ページから案内されているため、紙面を読むだけでなく実際に実行できます。配布ファイルの説明と正誤情報も確認して進めましょう。

おすすめしたい人

  • Rもプログラミングも初めて学ぶ人
  • 表計算ソフトで行っている集計を再現可能にしたい人
  • 大学や仕事でデータ分析が必要になった人
  • Rの基本とtidyverseを一続きに学びたい人
  • 短い例を動かしながら理解したい人

購入前に確認したいこと

統計理論だけを深く学ぶ本ではない

中心はRのプログラミングとデータ分析の基本です。推測統計や個別の分析モデルを数学的に深く学ぶ目的なら、統計学の教科書や分野別の専門書を組み合わせる必要があります。

現在のパッケージとの差を確認する

Rやtidyverseは更新されています。書籍のコードで警告や差異が出た場合は、出版社の正誤・サポート情報に加え、利用中のRと各パッケージの公式ドキュメントを確認してください。

結果を出すだけで終わらない

関数を実行して数字が表示されても、その値が何を意味するかはデータと分析条件で変わります。欠損値の扱い、集計単位、グラフの軸を自分の言葉で説明することが大切です。

おすすめの読み進め方

  1. Rと開発環境を用意する:コンソールとスクリプトの違いを確認します。
  2. 短い例を手入力する:実行前に結果を予想し、値を一つ変えます。
  3. データの形を毎回確認する:str()や要約で列の型と欠損を調べます。
  4. 処理を上から再実行する:手作業を混ぜず、同じ結果になるか確かめます。
  5. 小さな手元データへ応用する:家計、学習時間、売上など意味を理解できる題材で試します。

最初からすべての章を完全に理解する必要はありません。基礎例を実行し、必要な分析へ進み、分からない構文が出たら前の章や巻末リファレンスへ戻る往復が効果的です。

学んだ知識をどう活かせるか

Rで処理をコード化できると、毎月届く同じ形式のデータを同じ条件で集計し、グラフまで更新できます。作業時間の短縮だけでなく、クリック手順の記録漏れを減らし、他の人が処理内容を確認しやすくなります。

ベクトル、データフレーム、関数、可視化の基礎は、その後に統計モデル、時系列、機械学習、レポート生成などへ進む共通土台になります。専門的な分析へ進むほど、前処理を明示し、結果を再現できる力が重要になります。

まとめ

『R言語ではじめるプログラミングとデータ分析』は、Rを初めて触る段階から、データ処理と可視化を一連のプログラムとして組み立てる段階まで進みたい人向けの一冊です。

短い例で基礎を確かめ、長いコードを書く工夫を学び、tidyverseへ進む構成により、「関数を知っている」状態から「分析手順を説明して再実行できる」状態を目指せます。

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