「スッキリわかるSQL入門 第4版」を紹介
データを取り出す命令だけでなく、データベースの仕組み、設計、トランザクションまで順序立てて学べるSQL入門書です。
- 書名
- スッキリわかるSQL入門 第4版 ドリル256問付き!
- 著者
- 中山 清喬、飯田 理恵子
- 監修
- 株式会社フレアリンク
- 出版社
- インプレス
- 発売日
- 2024年2月5日
- ページ数
- 528ページ
- ISBN
- 978-4-295-01846-9
書誌情報と目次はインプレスブックスの書籍情報を参照しています。
アプリケーション、業務システム、データ分析など、多くの場面でデータベースが使われています。必要なデータを探すときに利用するのがSQLです。しかし、命令を暗記するだけでは、複数の条件をどう組み合わせるか、テーブルをなぜ分けるのか、更新をどのように安全に行うのかが分からず、少し複雑な処理で立ち止まりやすくなります。
『スッキリわかるSQL入門 第4版 ドリル256問付き!』は、SQLを初めて学ぶ人が、検索・追加・更新・削除から、集計、結合、副問い合わせ、テーブル設計まで進むための入門書です。図解と対話を交えた説明、ブラウザでSQLを試せる購入者特典のdokoQL、巻末のドリルを組み合わせ、読んだ知識を実際に使う構成になっています。
SQL学習でつまずきやすいところ
SQLは、短い命令なら英語に近く、最初は分かりやすく見えます。ところが、扱う表や条件が増えると、次のような疑問が生まれます。
WHEREとHAVINGはどう使い分けるのかNULLを通常の値と同じように比較できないのはなぜか- 複数のテーブルを結合したとき、行が増えたり消えたりするのはなぜか
- 同じ情報を複数箇所に保存すると、どのような問題が起きるのか
- 途中で失敗した更新を、どうやって元に戻すのか
個々の構文だけを検索しても、その命令が処理全体のどこで働くかまでは見えにくいものです。本書はデータベースの基本概念から始まり、簡単な検索を土台にして一段ずつ機能を増やします。構文と仕組みを結び付けて学べる点が、初学者にとって大きな助けになります。
この本の特徴
操作しながら学べる実行環境
SQLは、実際のテーブルに命令を実行して結果を見ることで理解が進みます。本書には、新刊購入者向け特典としてクラウドサービス「dokoQL」が用意されています。学習の最初にデータベース製品のインストールや接続設定で時間を使わず、ブラウザからSQLの練習へ進めます。
dokoQLの利用条件や提供状況は公式案内を確認する必要がありますが、環境構築に不安がある人が最初の一文を試すための選択肢になります。自分のPCへSQLite、PostgreSQL、MySQLなどを用意して学ぶ場合にも、書籍で身につけた基本的な考え方は役立ちます。
検索から設計までを一冊で見渡せる
前半ではSQLの基本文法と、検索・追加・更新・削除という4大命令を扱います。その後、行の絞り込み、検索結果の加工、関数、集計、グループ化、副問い合わせ、複数テーブルの結合へ進みます。
後半ではトランザクション、テーブル作成、インデックスなどの支援機能、正規化を含むテーブル設計を学びます。「SQLを書ける」だけで終わらず、データを矛盾なく保存し、安全に変更するための基礎へ進める構成です。
256問のドリルで理解を確かめられる
解説を読んだ直後は理解したつもりでも、何も見ずにSQLを書くと条件や句の順番に迷うことがあります。巻末のドリルは、構文を思い出し、自分で組み立てる練習に使えます。第4版では正規化を含むドリルが収録され、検索以外の理解も確認できます。
どのような内容を学べるのか
1. データベースとSQLの基本
最初に、データベースがデータをどのように整理するか、テーブル、行、列、主キーが何を表すかを学びます。そのうえで、SELECT、INSERT、UPDATE、DELETEを使い、データを読み書きします。
更新や削除では、対象を絞る条件が特に重要です。命令の形だけでなく、実行前にSELECTで対象行を確認する、といった安全な進め方を意識するきっかけになります。
2. 絞り込み、加工、集計
WHEREで必要な行を選び、ORDER BYで並べ、関数で値を加工します。さらにCOUNTやSUMなどの集計関数とGROUP BYを使い、カテゴリ別の件数や合計を求めます。
データ分析では、単に一覧を表示するより、「月別」「商品別」のような単位でまとめる処理が多くなります。第4版にはSQLによるデータ分析の付録も加わり、その先の活用を考える入口になります。
3. 副問い合わせとテーブル結合
現実のデータベースでは、顧客と注文、商品とカテゴリのように、関係する情報を複数のテーブルへ分けます。結合を使うと、分けて保存した情報を必要な形に組み合わせられます。内部結合と外部結合の違いを理解することは、欠けているデータをどう表示するか判断するうえでも重要です。
副問い合わせでは、ある検索結果を別の条件や表として利用します。平均より高い値だけを探すなど、固定値では表せない条件を組み立てられるようになります。
4. 安全な更新とテーブル設計
複数の更新を一つのまとまりとして扱うトランザクションは、口座間の送金や在庫と注文の同時更新などで欠かせません。成功したら確定し、途中で失敗したら取り消すという考え方を学びます。
テーブル設計では、主キーや外部キー、制約を使って不正なデータを防ぎます。正規化を通して重複を減らし、更新した値が別の場所に残るといった矛盾を避ける方法も扱います。
おすすめしたい人
- SQLとデータベースを初めて学ぶ人
- Webアプリ開発のためにデータ操作を身につけたい人
- 表計算ソフトから一歩進み、大量のデータを扱いたい人
- 検索は書けるものの、結合や副問い合わせで迷う人
- 資格学習や実務に向け、問題を繰り返し解きたい人
- テーブル設計と正規化の基礎まで学びたい人
購入前に確認したいこと
DBMSごとに細かな違いがある
SQLには標準がありますが、文字列関数、日付処理、自動採番、データ型などはデータベース管理システムによって違います。本書で基本を身につけたあと、実際に使うPostgreSQL、MySQL、SQLite、SQL Serverなどの公式マニュアルも確認しましょう。
読むだけでなく練習時間が必要
528ページあり、扱う範囲も広いため、短時間で読み切ることより、例題を実行して結果を予想することが大切です。特にNULL、集計、結合、正規化は、手を動かさずに理解を定着させるのが難しい分野です。
おすすめの読み進め方
- サンプルデータの意味を確認する:列名、主キー、値の関係を把握してからSQLを書きます。
- 実行前に結果を予想する:何行、どの列が表示されるかを紙に書きます。
- 条件を一つずつ増やす:複雑なSQLを一度に書かず、絞り込み、並べ替え、集計の順に確認します。
- 値を変えて再実行する:
NULLや0件になる条件も試し、境界の動きを確かめます。 - ドリルで再現する:解説を閉じてSQLを書き、間違えた分野へ戻ります。
更新系の命令は、重要なデータベースでいきなり試さず、練習用環境を使います。UPDATEやDELETEの前に同じWHEREを付けたSELECTで対象を確認する習慣も付けましょう。
このサイトのSQL講座との使い分け
当サイトのSQL入門では、SQLiteで再現できる小さな商品・注文データを使い、検索、集計、結合、更新を実行結果付きで確認できます。まず短い例を試し、本書で背景や関連する構文を体系的に整理し、ドリルで自力で書く流れがおすすめです。
サイトの講座は必要なテーマを素早く確認する用途に、本書はデータベース全体を順序立てて学ぶ用途に向きます。「例を動かす、本で理由を理解する、別のデータで書き直す」と往復すると、特定の例だけを暗記せず応用しやすくなります。
まとめ
『スッキリわかるSQL入門 第4版』は、初めての検索から、集計、結合、副問い合わせ、トランザクション、テーブル設計までを一冊で学べる入門書です。図解と実行環境で理解し、256問のドリルで自分の手で書くという学習の流れが用意されています。
SQLを単なる命令の一覧として覚えるのではなく、データがどのように保存され、検索され、安全に更新されるのかまで理解したい人に向いています。Web開発やデータ分析へ進む前に、長く使えるデータベースの基礎を固めるための一冊です。
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